呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる136文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

君の目はどこも異常はないそうだ。見えないのは心因性の症状らしい。
夫の声が病室に響く。
ねえ、私、娘にとても怖い話をしたような気がするの。
目に包帯を巻いた妻は呟く。
どんな?
夫の声が震える。
思い出せない。でもその時に確か、娘の目を掌で隠した。

窓が開く音。何かが衝突する音。
#呟怖

バスの車内で、その老人は小型ラジオの音量を一気に上げた。
「お客様、他の方のご迷惑になりますので」
運転手が注意した。
老人は低く呟いた。
「裁きは終わったのか」
「え?」

次の瞬間、ラジオから
『サバケサバケサバケサバケ』
と唱和する声が流れだし、運転手と乗客は一斉に吐血した。
#呟怖

「あの、沙織ママさん」
「なあに由奈ママ」
「前から気になってたんですけど……あのジャングルジムにぶら下がってる青黒い顔の男の子、いつ来てもいるし、全く動かないですよね?」
「……あなたまだ公園デビュー早かったね」
「えっ」
「ていうかこれからお前もお前の娘も一生シカトだから」
#呟怖

夏休み。友達は皆田舎へ。僕は一人で市営プールへ出かけた。変だ、今日は誰もいない。まるで死んでいるみたい。僕もプールの底で死んだふりをする。上手く出来ない。帰り道、坂道から眩い街を見渡した瞬間、過去も未来も全部判ってしまった。青すぎる空に、幼いままの心を撃ち抜かれてしまった。
#呟怖

雨が降ると大抵は学校を休んだ。
部屋の窓から庭の濡れそぼつ草花を眺めて、いつまでも飽きなかった。
雨に打たれる植物は哀しげで、同時にどこか生命としての暗い本性を露わにしてもいるようで、ひどく心を揺さぶった。
その陰にいつも潜んでいた。
かつてママと呼んだ女が。

蛇。あれは蛇だ。
#呟怖

「お前の作るビーフシチュー最高だよな」
大学時代、巧は僕の料理をよく誉めてくれたが、特にビーフシチューに目がなかった。
卒業後、巧とは疎遠になり、僕は料理をしなくなった。
昨日、巧は事故で死んだ。

久々に作ったビーフシチューは血の味がした。
そして僕はあの夜の痛みを思い出した。
#呟怖

さっきまで快晴だった真昼の空が、急速に黒く覆われてゆく。
何だろう。そう訝り、ふと周りを見渡すと、ビルも窓ガラスも道路も車も人も犬も黒く染まってゆく。
自分の手を見ると、指先から墨汁を吸い込んだかのように黒が這い上ってくる。
黒、黒、黒。
ああ、そうだ。

世界が暗黒に還るのだ。
#呟怖 https://twitter.com/utut_uchan/status/1216266862792564736 

月桂樹の花の模様が刻まれた鏡台。いつからか彼女は、僕が部屋を訪れるたび、鏡に黒い布を被せて隠すようになった。
「なぜ鏡を隠すの」
僕は訊ねる。
「鏡に映るあなたを見たくない。
鏡に映るあなたの背後のあの女を見たくない。
さてどちらでしょう」
彼女は嗤う。

月桂樹の花の花言葉は……
#呟怖

美しい薔薇が咲き誇った庭で、かつて叔母は私に言った。あんたの心にも薔薇を植えてあげる。私は訊ねた。棘があるのに? あんたの中にいる〈獣〉を棘で戒める為だよ。でも永遠に縛る訳じゃない。いずれその時が来る。

遂に薔薇の棘の戒めを解いて、私の〈獣〉は走る、走る、走る。どこまでも。
#呟怖

「遂に僕は完全に新しい〈僕ヌーヴォ〉になったよ」

小学校から帰るなり息子が訳の判らないことを言うので、思わず吹き出した。
だが息子は涼しい顔で
「この際、お母さんもお母さんをやめて新しくなってほしいな」
と言うなり、私の財布を開いた。
……いつのまに?

「まず紙幣を燃やそうか」
#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/1218341672649543681 

「逢魔が時」とは、まるで魔物に逢いそうな時間、というあくまで比喩であって、本当に魔物に逢う筈などない。
だからあの日の夕刻、闇咲坂の途中で僕がすれ違ったのはやはり君であって、君によく似た魔物なんかじゃない。

両の目尻から青黒い血を流していたのが見間違いじゃなかったとしても。
#呟怖

「私の猫を食べてください」

隣に引っ越してきた若い女から顔を合わせるたびにそう頼まれる。
無理無理、と何度も断った。
でも最近、そこまで言うなら、という気もしてきて、試しに
「一緒に食べてくれるんですか?」
と聞いてみたら
「それはちょっと……」
と困り顔で返された。

何だそれ。
#呟怖

「あ、蝿」

そう言って彼女は、僕の左頬に隆起している大きなほくろを指先でむしり取った。
鋭く甘美な痛みが脳髄を貫く。
涙があふれた。

ずっとこの時を待っていたのだ。
#呟怖

昔、父が家の庭に虚の木を植えた。
いずれ天まで伸びるぞ。あの童話の木みたいに。
そう言って仕事もせずに朝から晩まで飽きず眺めた。
けれど木は二階にすら届かなかった。
母は私を連れ家を出た。
やがて父は虚の木の枝で首を吊った。

今、果てしなく伸びた木を私は登る。
虚を実に還す為に。
#呟怖

知人のDさんから聞いた話。

Dさんの街でバスが駅前から発車しようとした時、突然車内でドンッ! という凄まじい衝撃音が鳴った。
皆が驚いて周囲を見たが、音の発生源が判らない。
そして再び車内にドンッ! と音が響いた瞬間、全員が死んでしまった。

この話を誰が伝えたのかは不明らしい。
#呟怖

「蛇! 蛇が!」

私が郵便局の中へ入った途端、悲鳴に近い声が響いた。
カウンターの向こうで、三人の局員が怯えきった表情で床を見つめている。
「あれ……」
「さっきまでいたのに……」
やれやれ、こんなところで〈蛇走り〉か。ついてない。

溜め息をつき、私は左手で蛇封十三字を切った。
#呟怖

「よーし、今日も遊ぼうぜー。生き延びる為に!」
「生き延びる為に!」
「生き延びる為に!」
「生き延びる為に!」

と、公園で大勢の子供たちが唱和している。
楽しそうだが、どこか悲壮感を漂わせてもいて、どの子もやけに老成して見える。

そして皆、なぜか一様に右手を背中に隠している。
#呟怖

「君の子供の時間が終わる前に、迎えに来たよ。さあ、永遠の子供の国へ行こう!」
「子供の国へ行くのに、なぜ大人みたいなスーツ着てんの。あと頭に『教員』って書いてあるけど、子供の国にも先生いんの」
「チッ……うぜえなこのガキ」
「え?」
「静かにしねえと子供のまま人生終わるぞコラ」
#呟怖 http://pic.twitter.com/J0Gh9twN3X

社会不適合人間廃棄工場:通称〈脳膜爆裂ソシオ=マンダラ〉
#呟怖 https://twitter.com/MATTARINEKOkob1/status/1217405468550651904 

さっきまでそこで見ていました。あなたがあの人を刺すのを。あれは何の音でしょうか。遠い夏の花火のように朧に響くあの音は。どうでもいいんです。なぜ刺したかなんて。ただ歩き続けてほしいのです。今宵の赤い月の光が照らす方へ。そのままずっと。さっきまでそこで見ていました。あれは何の。
#呟怖

「課長! 〈雑木林の首斬り魔〉の被害者の遺族に背中の卍の傷がある者がいたって、なぜ教えてくれなかったんですか!」
「……15年前の最初の犠牲者、高科智樹の父親にも同じ傷があった」
「だったらなおさら!」
「それを告白した夜、父親は一家心中した」
「え……」
「今すぐあの家に戻れ」
#呟怖

「お母さん、本当は何か隠していませんか?」

もちろん私も、我が子を殺されたこの女が〈雑木林の首斬り魔〉だとは考えていない。
だが発見された首のない遺体の背中に卍型の傷がつけられていたことは、被害者遺族にすら伏せていた筈だ。

女は黙って振り向くと、シャツを捲って背中を見せた。
#呟怖

「……世界の終わりが始まったな」
友人のKが唐突に呟いた。
「何で?」
「判らないのか? あの向き合った二羽の鴉が、互いの眼をずっと見つめたまま動かないからだよ」
そう言ってKは僕の眼を凝視した。

その瞳にはまるで鴉のような半透明の薄い膜がかかっていて、思わず僕は視線を逸らした。
#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1217075115550134272 

子供の頃、両親が外国製のドールハウスを買ってくれた。
複雑で荘厳な西洋建築の屋敷の中に、息を呑むほど美しく精巧な内装と調度品が設えられていて、何時間でも飽きずに眺めていられた。
そして何より、愛くるしくも高貴な人形の一家。

でも

奥に

目が

今日も窓から誰かが私を覗いている。
#呟怖

こんな僕でもたまにエゴサーチしてみるんですけど、こないだ検索エンジンに
「空と」
まで打ち込んだだけで即座に

「空と踊る男 殺す」
「空と踊る男 呪う」
「空と踊る男 許さない」
「空と踊る男 拷問 なるべく長く苦しむ」

とかズラーッと並んだ時はさすがにゾッとしましたね。ええ。
#呟怖

海辺の家で、俺と晃は何度も互いの身体を貪る。滲む汗。体液の匂い。つけっぱなしのTVからは同じニュース映像が繰り返し流れている。押し寄せる津波。呑み込まれる街。ねえ、僕ら以外の皆って死んだのかな。火照った顔で晃が呟く。 俺は再び晃を抱き寄せる。この家では情事だけしか起こらない。
#呟怖

17年前、同級生の児嶋由奈を最後に目撃したバス停のベンチで、僕は煙草に火をつけた。
バスが停車し、再び動きだすと由奈の姿はなかった。
だが運転手は誰も乗ってこなかったと証言した。
どこへ消えたのか。

煙草を地面に捨てた瞬間、あの日の白い足が瞼に甦った。
(嘘つき)

笑わせやがる。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1216664469809426433 

他人に話しても全く理解されないが、見ていると無性に飛び降りたくなる高所からの風景というのがある。
もちろん実際に飛び降りたことはないのだが、 そんな風景を見ながら飛び降りる「時」を想像するのが異様に好きだ。

この場所が匂わせる「時」は狂おしいほど蠱惑的で








#呟怖 https://twitter.com/Fuuko_fuugetudo/status/1216363086270984193 

同棲中の彼女がある日、小太りで髪の薄い冴えないおじさんを部屋に連れてきた。
「今日から一緒に住むことになったよ」
「え……身内の方?」
「ううん、知らない人」
平然と答えた彼女に唖然としたが、数日経って理解できた。
このおじさんは二人の為の〈装置〉だ。

今日も三人で風呂に入る。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1216282386742173696 

歌が聴こえる。
瘴気の淀む沼の底から。
そう。これは悪を叫ぶ歌。
甘美に爛れた我が罪の始まりの歌。
歌っているのは。

〈智樹君、こっちへ来てごらん。綺麗なお魚がいるよ〉

ありがとう。思い出させてくれて。
ありがとう。再びここへ導いてくれて。
血で汚れたこの手は。

来世で償おうか。
#呟怖 https://twitter.com/marinegumi/status/1215796084607348736 

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