呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる136文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

夕方。蜻蛉が宙に弧を描く畦道に、小夜さんは微笑んで立っている。
小夜さんは「ショウフ」なのだと皆は言うが、僕にはよく判らない。
小夜さんが蜻蛉を捕まえた。
髪留めを抜き、木切れに突き刺す。

磔の刑や。
あんたの股ぐらにある蜻蛉もな、悪さしたらこうなるで。

空、髪留め、唇、赤く。
#呟怖

口の中で炭酸がシュワシュワ弾けるキャンディの青い包装紙を眺めていたら、ふと、子供の頃に行った市民プールを思い出した。

あの日、自分は何かから逃げていた気がする。
潜ったプールの底は静かで青暗くて。
そこで白い手が。
シュワシュワと。

ああもう駄目だ。
もう駄目だ。

夏が終わる。
#呟怖

「あれは?」
小夜が校庭にいる生徒の一人を指差し訊いた。
「曽根だろ」
「あれは?」
「あ」
「あれは?」
「あ」
「じゃあ、あれは?」
「三橋だな」
小夜は溜め息をついた。
「竹田君の心理詐術は強力だね」
「何それ」
「ここが男子校だなんて大嘘だよ。君には女子生徒が認識できないだけ」
#呟怖

18歳の誕生日に姉は、敬虔な牧師で信徒にも慕われていた父にガソリンをかけて焼き殺した。
「教会で父に何度も犯されていた」という手紙を残し、姉は姿を消した。

教会の廃墟に足を踏み入れる。13年ぶりだ。
ふいに、焦げた匂いが漂った。
涙が滲む。

背負うべき十字架に、やっと向き合える。
#呟怖

森の中で、娘は熊に出会った。
熊は舐め回すように娘を見ると、踵を返した。

猟師の男が現れ、舐め回すように娘を見ると、聞いた。
熊はどっちだい。隠しても無駄だよ。大人はいろんな訊き方を知ってるんだよ嬢ちゃん。

娘は何と答えたか?

考えて。生死が懸かっている。

娘ではなく、君の。
#呟怖

SNSに創作を上げている承認欲求が強く八方美人で優柔不断そうなアカウントと相互フォローになり、礼儀正しく創作を褒め続ける。相手が気を許したら少しずつ理詰めの批判を織り交ぜ、徐々に語気を強め「否定→掌を返して平謝り」を繰り返し、精神的に追いつめ支配する。手軽に出来る邪悪な遊び。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1303696767033069568 

戦時中、細菌兵器の開発や人体実験を行う部隊に参加していたという噂がある邦画界の巨匠、高科智樹監督は、決して自らの体験を語らなかった。
また、高科監督は絶対に右掌を他人に見せなかった。
謎の死を遂げた監督の遺体の右掌には、極彩色の死斑が現れていた。

遺体はなぜか早々に焼かれた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1304768172503965696 

(まだあの湖にいるんだ)
もちろん、それは妄想だ。ボーヒーズ家の息子はとっくに死んでいる。病院でも言われた。「惨劇の記憶が君の心を苦しめ惑わせているんだよ、アリス」
判っている。
だが、判ることと感じることは違う。

あの日と変わらぬ湖面に、身を浸す。

いなければ。私が。
底に。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1304436956302958593 

「去年お会いしましたね」
マリエンバート・ホテルのロビーで、男は小卓にタロットを並べた女に声を掛けた。
女は無言で大アルカナを1枚捲った。
正位置の〈運命の輪〉。男は思う。
カードは逆位置の〈世界〉。
「このホテルは初めてですの」
女が呟いた。

ずれている。
が、断絶してはいない。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1304187802100228096 

山小屋の中でケイトの首を絞め終えると、ティムは溜め息をつき、小屋の外に声を掛けた。
「もう幕だろ」
扉を開け、豚のマスク姿の誰かが入ってくる。
「これが俺たちの手向けってやつか」
ティムは力なく笑う。
「だが何の意味がある? 手向けるべき相手など最初から」

斧が振り下ろされる。
#呟怖

『ボルティモアでは駄目だった。アセンズなど話にならない。ポートランドでさえもだ』
『どこなら叶うの』
『違う』
『そもそも君はどこにいるの』
『違うんだ』

このシーンの直後に殺人鬼に惨殺される男二人のこの会話が意味不明すぎて、未だに繰り返し観てしまう。とある古いホラー映画の話。
#呟怖

中学生の癖に趣味が「拉致と拷問」って、全くうちの学校のヤンキー、高科智樹は恐ろしい。でも、もっと恐ろしいのはヨウコさんだ。一見腐女子っぽいのに、ほら、今だってガシャポンみたいな球を高科にぶつけて笑い狂っている。高科の全身が燃え上がる。どういう原理だ。桜吹雪の中で、炎が綺麗。
#呟怖

小劇団〈呟きと囁き〉の団員たちは、開演直前の舞台裏で戦々恐々としていた。
まさか、またあんな……

第1場。看板女優が台詞を叫ぶ。

『傷ついた心For Sale!』

その瞬間、客席から次々と観客が舞台に登り、平泳ぎの動作を始めた。

舞台でも客席でも、全員が泳ぎ回っていた。水もないのに。
#呟怖

真昼。庭の物干し竿で風にはためく白いシーツの端を細い指先が掴んで引いて、現れたのは異様に整った顔立ちの若い男。
「こんにちは奥さん」
男が喋ると、口が頬まで裂けた。それはとても自然に見えた。
「SNSいつも読んでます。旦那さん、殺しておきましたから」

夫デスノートは突然成就した。
#呟怖

ホワイトがブルーとブラックに一枚の写真を見せた。

「これは」
とブラック。
「ボスだな」
とブルー。
「戦前の映画『暗い雪空の下で』のフィルムだ」
とホワイト。
「なぜボスが映画に」
「そもそもボスの顔を実際に見たことあるか」
「……いや」

〈白と青と黒が交わる、暗い雪空の下で。〉
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1302564067068977153 

「何だか疲れちゃったな。三橋は暴走ばかりしてるし」
竹田が溜め息をついた。
それは自業自得だろ、と俺は内心思った。
「ねえ、僕と二人で旅へ出ないか」
「旅ってどこに?」
「たとえば、あの小夜とかいう女狐の隠し場所」
俺は竹田の目を見た。
竹田も見返した。

「冗談だよ」
「どうだか」
#呟怖

夜の森を奥へと進む。葉擦れの音。落葉を踏む響き。虫と鳥の鳴き声。土と苔の匂い。樹と草の青臭さ。咲いた花の香り。爪先に伝わる腐葉土の粘り。指先で探る枝と幹の堅さ。膚を撫でる微風。闇の無数の形。瞼に浮かぶバットを振り上げる兄。その歪んだ顔。まだ痛む。痛い。森の闇の中で。兄さん。
#呟怖

高速での運転は眠くなる。
「何か話してくれ」
助手席の部下、児嶋由奈に声をかけた。
「薬が効いてきましたね」
え?
一瞬、意識が飛んだ。この異様な眠気は……
「リモートワークばかりで退屈してたんです」
「何を……児嶋……」
「大丈夫ですよ。課長のシートベルトだけ外しておきますから」
#呟怖

(SNS民は本当に猫の動画が好きだから)

今、携帯を弄る私の頭蓋で蠢く何か。それが極まり窮まって際まで来ている。そんな予感が前触れもなく膚を刺した。

(猫なら何でも喜ぶ)

忘却の海に沈めた核心。欠落の残像。

(ほら、これも)

そして心の防波堤は決壊した。
あれは。

猫ではない。
#呟怖

「あんた、何でうちと寝たん?」
義姉の小夜が言った。
「そっちが誘ってきたんだろ」
「うちは由奈に逃げられたあんたが可哀想や思うて優しくしただけやで。あんたが強引に押し倒したんや」
「何を……」
突然、小夜の両の目尻を青黒い液体が伝った。

「小夜!」
「由奈な、もう生きてへんで」
#呟怖

「でも僕、引き出しは沢山ありますよ?」
文芸サークルの合評会で、高科智樹は憮然として私に言った。
「その引き出しがどれも陳腐なら無駄だよね」
「そういう意味じゃないけど……」

帰りの夜道、ふと振り向くと高科がいた。
胸の引き出しを開け刃物を取り出す。

なるほど。全く陳腐な男だ。
#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1301475649337487360 

「亡くなった高科智樹さんの遺言により、この車はあなたに譲渡されます」
弁護士を名乗るその男は、古びた黒い車を指差して言った。

(俺、〈即身仏カーオナニー〉してるんだ)
(何だそれ)
(車の中で延々とオナニーしながら死にたくて)
(意味判んねえし)

車は誘うように黒光りしている。
#呟怖

教室へ忘れ物を取りに戻ったら、扉の影に小夜がいた。
「最近つれないじゃない」
俺の胸を指先でなぞる。
「ここ男子校だぞ」
俺は指を払いのけた。
「竹田君のことだけどね、彼は生来の詐欺師よ」
「……母親の腹を喰い破って産まれた赤ん坊」
「え?」
「お前だよ」

一瞬、小夜の顔が歪んだ。
#呟怖

教祖が大学を卒業するまでの「期間限定の宗教」など聞いたことがない。
高科智樹の興した〈高科教〉が勝手に占拠したサークル棟の一室の前に立ち、俺はインターホンを鳴らした。
何が教祖だ。あの“ウジ虫高科”が。
ふと刺激臭が鼻をついた。
そして俺は気づいた。

これはインターホンじゃない。
#呟怖 https://twitter.com/5000004xxx/status/1301198557488115713 

ハッシュタグ #呟怖 で地味に書き継いできた〈竹田と俺〉シリーズ、本日にて一周年を迎えました!
いつもは最新作がトップに来るようにまとめを更新しているのですが、久々に投稿順に読めるようにしてみましたので、よろしければご笑覧ください

ひそかに作者の呟怖創作の精神的支柱だったりします。 https://twitter.com/dancewithsky/status/1301153330148720640 

三橋が校舎の屋上から飛び降りたと聞き、俺は竹田に詰め寄った。
「竹田お前、やり過ぎだぞ!」
「三橋なら問題ないよ。すぐ創り直せる。それより」
竹田は鋭い視線を投げた。
「まだあの女と会っているの?
ここ男子校だよ?」

何を言っている……?
一瞬、友人が全く見知らぬ他人に思えた。
#呟怖

通学路の途中、飼い犬を執拗に蹴っている中年男を見た。
犬は弱々しい悲鳴を上げながら蹲っている。
「酷すぎませんか」
俺は見かねて声をかけた。
「うるせえ。俺の犬に俺が何をしようと勝手だろうが」
「なるほど。つまり、あなたが僕の犬なら」
竹田が男の額に指を二本当てた。

「一生伏せ」
#呟怖

台風が来ている。
安全な我が家の中で、今、私は液体だ。
滑らかに流動し自在に偏在しつつ遍在するこの肉体と精神は、それ自体がひとつの官能だ。望むままに私は絶頂に達する。

でも
椅子が
私を縛りつけ戒める
あの椅子が

台風は去る。夫が帰宅する。
私は笑顔で迎える。

椅子を呪いながら。
#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1300285030594310145 

小学校で過ごした約5年半で悟ったのは、この社会は上位の者が下位の者の「血を啜る」ことで成り立っているということだ。
もちろん、これは比喩だ。が、一方でこれは比喩ではない。血を啜られた時の苦痛と恐怖は、今もこの胸に消えない傷としてある。

だから私は、将来は啜る側に回ろうと思う。
#呟怖 https://twitter.com/tanupon_music/status/1300324275681857537 

「あ、狐だ。ねえボク、おじさんが飼ってる秘密の動物見たい?」
「見たい」
「でも絶対にこっちを見ちゃだめだよ」
「うん」
「よし……ほら」
「え」
「見るな!」
「…………」
「ジョンっていうんだ。撫でてもらうのが好きだよ」

あの日以来、心の奥で狐が〈それ〉を噛み殺したがっている。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1300238296010825733 

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