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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
家族で花見に行った記念写真なのだと氏は言った。しかし。
「娘の姿が写真から抜けて」直後、事故死したのだという。
「妻の姿が薄くなって」病気で亡くなったそうだ。
「さっき私も抜けました。急だったので事故ですかね」ただの風景写真を私に託して氏は去った。その後、氏と連絡は取れない。 https://twitter.com/moon04cat/status/1242307717848387584 

#呟怖
見慣れぬ光景に、彼は新聞を配る手を止めた。
いや、この住宅地はいつもの配達コースである。集金にも出向くから、どんな人が住んでいるかも粗方知っている。
しかし。見渡す限りの軒先に、その住人が縊れているのはどうしたことか。
朝焼けの街に、バイクのエンジン音だけが響いている。 https://twitter.com/ywv_py/status/1241657097281892352 

#呟怖
「あいつさ、また浮気したのよ。だから罰」
ハイブランドのバッグを片手に久美は言った。
少し開いたファスナーから小さな手が覗いた。何かにすがりつくように指を動かして。
けれども久美はそれをプチっと捻り潰して、「罰だから」と笑顔で繰り返した。だから私は何も見なかったことにした。 https://twitter.com/ChrisRabbit11/status/1240786182755123200 

#呟怖
どっかで引っかけた女といい雰囲気になってそのままホテル行きよ。しっとりとした肌が気持ちよくてな。自分から顔を埋めてきて積極的でさ。
「でもな」
翌朝ベッドに転がっていたのは、顔に真っ白いペンキを塗った地蔵であった。
「おまけに」
口紅紛いの真っ赤な塗料が、未だに取れないという。 https://twitter.com/moon04cat/status/1239400049185964032 

#呟怖
「一点の曇りなく願います」私の言葉に彫り師は静かに返した。
「昔よ。牡丹の墨入れたことがあってな。手前で言うのもなんだが本物が咲いてるみてぇだった。でもよ、その女」
死んだのだそうだ。入れた覚えのない箇所にまで花が咲き、身は干からびて。以来敢えて、小さく綻びを作るのだという。 https://twitter.com/siroo_copy/status/1234077953023102976 

#呟怖
「不自然に赤みがさしているのは」霊が警告色を出しているので良くない写真だ、と専門家は言った。では、同じ場所で撮影されたもう一枚の、緑色の光は。
「あなたを仲間だと歓迎しているのでしょう。ともあれ、早く成仏することをお薦めしますよ」
そう言って、私に一本の線香を手向けた。 https://twitter.com/usagamisousuke/status/1234295321993179136 

#呟怖
「警察ですか?県北土木事務所道路管理課夜間当直の三村です、あの、いま、雪降ってますよね…はい知ってます、峠の監視カメラで積雪量確認してたんですけど、ひまわりが咲いて、女の子が日傘差して立ってて、いえそんな酒なんて飲んでないです、えっ、この子こっち…」
電話はそこで切れた。 https://twitter.com/marinegumi/status/1234777055398526977 

#呟怖
思い描いた以上の美しさであった。他に人の居ない本堂で、彼はその像の前に跪いて、そしてーー

第一目撃者の貫首は語る。
そらもう、えらい声でした。鶏を締めるような…。あの弥勒さんは綺麗好きどっさかいに。よっぽどお厭やったんでしょうなぁ、あそこまでしはるとは。畏れ多いことです。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1235934437910532098 

#呟怖
突然のことであった。独り暮らす老人が、家を囲う塀に数式を描き始めたのだ。
彼は数学はおろか、高等教育も受けたことがなかった。しかし三日三晩眠ることなく書き続け、満足したかのように逝った。

何の数式だったのかはわからない。葬儀の直後、巨大IT企業が塀ごとかっさらったからである。 https://twitter.com/V9yOTm6j4gaRDa7/status/1237632120484319235 

#呟怖
写真を撮りに、夜の街へ出た。ふらふらとビルの谷間にある社に足を踏み入れると、そこは猫の楽園であった。
がらん。拝殿の鈴が鳴ったかと思うと、一匹のぶち猫が姿を現した。こっちへおいで。手を差し出す。
と、猫の顔が十文字にぱっくりと割れて、右の手首から先を噛みちぎって去って行った。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1236011395461697536 

#呟怖
口笛が耳について寝られない、と言っていたよ。目の下に隈をつくって。しかしどう見ても、隙あらばぴいぴいやっているのは彼自身なのだが。
それを指摘すると、黙りこんでしまってね。そしてその夜だよ。両耳に菜箸を突き立てて。

ところで君、人に話を訊きに来ておいて、口笛は失礼だろう。 https://twitter.com/moon04cat/status/1236834852298579969 

#呟怖
ふと気づくと、そこは横断歩道であった。赤信号。手元の箱の、ボタンを押す。ガヂ、と確かな感触がして、「おまちください」と文字が出た。

ドン、ガン、バコン。
眼前の鉄扉が中から叩かれている。獣じみた雄叫びが聞こえる。
そうだ、俺は焼却炉の点検に来ていたのだ。中には、同僚が居る。 https://twitter.com/411_izayoi_rio/status/1238062656705024001 

#呟怖
心霊スポットとしてよく知られるこの神社であるが、実は幽霊など出ない。その代わり、参道の鳥居直下、石畳の下には呪物が埋められている。それを踏んだ者は自らが呪物となって、命を削りつつ周囲に障気を振り撒くのだ。
蜜を集る蜂と、その体に花粉を付けて繁殖していく植物の関係性に近しい。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1224768538214195200 

#呟怖
少女が立つと噂になって、どのぐらいが経つだろうか。白いフリルのついた日傘を差して、麻の生成りのワンピースを着て。すらりと伸びた脚。長い黒髪が風に揺れて。
ただし、決してその顔は覗いてはならぬともいう。どだい、吹雪いて時化る真冬の津軽海峡の、岩場に立つ者が生身のはずがない。 https://twitter.com/dancewithsky/status/1224610960167489537 

#呟怖
真言渦巻く堂内を導かれるまま奥へと進み、樒を投ぜし曼荼羅に描かれたるは羅刹の図。汝これより鬼となり、我らを疎める大和の民に酬ひて参れと導師の言ふ。
無眼耳鼻舌身意。欲するはただ都が人の血潮のみ。
おんざんばらんぼぎるしゃのう。
月に向かひて叫びを挙げて、我は堂宇を駆け出でぬ。 https://twitter.com/moon04cat/status/1223797412864512000 

#呟怖
初夏の陽射しを遮って、一冊の書物が降ってきた。繙けば、私の一代記ではないか。過去から未来に至るまで、手法と戦果が事細かに記してあるのだ。
なるほどこうすれば、人間をも効率的にやれるのか。記された手法を元に、金物屋へ行き、燃料屋へ行き、そして中古車屋へ行くことにした。 https://twitter.com/marinegumi/status/1224196754318381056 

#呟怖
うなじの白さが、夜目にも鮮やかに映った。振袖姿にだらりの帯、おこぼをころころ響かせて。
舞妓など見慣れているはずなのに、妙に気になり元来た道を引き返す。どうにも、顔が見てみたい。
つかつかつかと追い掛けて、おふくの髷を覗きこむ。
あなやそこにも、つるりとしたうなじと、遅れ髪。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1213395728673820674 

#呟怖
祖父の遺品に、古びたカメラを見つけた。久方ぶりに暗室を開け、現像液を手に取った。
設計図に向かう姿。熱海への新婚旅行。幼い父を連れた潮干狩り。秘めたアルバムがそこにはあった。
しかしその1枚だけは、どうにも不可解なのである。花にまみれて四角い箱に納まった、瞑目した祖父の顔。 https://twitter.com/moon04cat/status/1212679592747524097 

#呟怖
嗚呼我は哭く、非時香菓となむ言ひけるを食せし者は畢竟我のみ、常世国より田道間守の取り来たる不老不死の果実也、帝は笑ひて食み給はぬを、我のみぞ拾ひ食らへる罰なりや、不老不死は偽りにして、消し炭が如く黒く小さき哀れな我が身、寒風の下捩らせてあうあうと、千年万年永劫と哭く。 https://twitter.com/moon04cat/status/1211128589036343296 

#呟怖
白いビニール袋がぶら下がっている。パンパンに膨れて、取っ手が少し伸びている。上からはみ出した黒い繊維質の束。時折端部から落ちる滴が、コンクリートに模様を描く。丸みを帯びた中身が、ずるりと自転する。緩やかな突起がこちらを向く。
ビニール袋が、我が家の玄関扉にぶら下がっている。 https://twitter.com/moon04cat/status/1188658368837144576 

#呟怖
お前、あれ何て書いてある?
保線区の先輩が、線路端の古びた鉄柵を指さした。ペンキで汚く、ありがとう、と落書きされているのだ。
だよな、俺にはおめでとうと読める、もう終わりだ、お前は早く仕事辞めろよ。
先輩はその日、終電に飛び込んで死んだ。同じ末路を辿った人はもう四人目である。 https://twitter.com/machiko_kaidan1/status/1184032310007435264 

#呟怖
金木犀の香りで目が覚めました。
母さんだと思いました。生前、好きでしたから。
私は一目会いたかったんです。
なのに。
肥えた全裸の男が部屋に浮いていました。汗で総身がぬらぬら光って、私に滴り落ちてきて。その匂いが。
あれ以来、取れないんです。甘い香りを漂わせて、彼女は言った。 https://twitter.com/molmol299/status/1184120386415288322 

#呟怖
「旦那もお盛んでいらっしゃいますなぁ。こんなにたくさんお買い求めになられては、お体が保たんでしょう」夜店の親爺が、前歯の欠けた笑みで言った。
私はそれに答えず、金魚がみちみちと詰まった袋を黙って受け取った。金も尽きかけている。しかしこの中に、妻と娘が居るかも知れぬのだ。 https://twitter.com/hazukizm/status/1184481215794962433 

#呟怖
深夜二時。いつものあれが来る。粘っこい足音と、荒い息遣い。
「りかこ。もう寝たのか?」
ぬぬぬ、と寄せられる顔の気配と、どすんと響く衝撃。私はじっと耐えるしかない。
母と祖父母に包丁を突き立てた父は、死刑に処されてもなお私のもとへやって来る。あの日叶わなかったトドメを刺しに。 https://twitter.com/moon04cat/status/1176260837943590912 

#呟怖
「雲間から射し込む太陽光線のことを薄明光線って言うんだけど、『天使の梯子』とも俗称されてるらしいよ」僕は隣に立つ彼女の肩に手を置いた。
「私には、あれは天使に見えないけどね」
冷たく言い放つ視線の先を、六本の手足を持った大きな人影が高圧鉄塔目掛けて降りていく。何体も、何体も。 https://twitter.com/maybePURIN/status/1176458259584040960 

#呟怖
「兄ちゃん、何見てんねや。あの青い灯か?綺麗やなぁて?ぼおっと見とったらなぁ、ガバァてこぉんなでっかい口が出てきてな、食われてまうんやで。そら堂島川かてアンコウはおるやろ。海に繋がってんやし」
酔っ払いの戯言かと思った途端、大きな水しぶきがあがりおじさんは消えた。 https://twitter.com/tadayou_k/status/1175541530603294720 

#呟怖
「夜中の巡回でね、見掛けたんですよ」並んだ扉の一番奥。真っ黒に塗り潰したような、人間の形をした何かが覗いたのだと。
「次の日には、もう一つ手前の扉から。なんだか目が合うと良くない気がして、でも」日を追うごとに近づいて来たのだと。
私しか居ない守衛室で、男の声がそう言った。 https://twitter.com/Mad8068/status/1174169745085652993 

#呟怖
「箒立てとき言うたらな、逆さにしとくもんや。そんなんも教わらんと来たやなんてえらいええお育ちどすな。掃き込む向きにした挙げ句にちり取りまで添えて、ああもう、ほら、また入ってきはる、助けとくれやす」
何が来よるんでっしゃろな。あの日以来寝付いたままの義母を一瞥し、私は笑った。 https://twitter.com/dancewithsky/status/1173591884985274369 

#呟怖
その古刹は「縁切寺」として名高く、悪縁を断たんと欲する善男善女による「夜詣り」が盛んである。しかしその御利益は時に過剰に発揮されるらしく、明け方門前で事切れた姿がしばしば発見されている。現世のあらゆる縁が断たれるらしく、納骨堂に増え続ける無縁仏に住職も閉口していると聞く。 https://twitter.com/moon04cat/status/1174327924880576512 

#呟怖
彼からメッセージが届いたんです。
「電車なう」「向かいの客がどう見てもアレな件」
しかし添付画像には、誰の姿もありませんでした。映り込むはずの彼の姿も。そしてそれが最後のやり取りでした。
彼は両瞼を縫い付けられて遺体で発見されました。彼は、いったい何を見たというのでしょうか。 https://twitter.com/Piy8mk6gUbXooGE/status/1169655958261288960 

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