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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 寂れた街角に、今年もあの白いドレスの子が現れた。仮面を付け、風船を片手に、俯いて佇んでいる。「あれはハロウィンの幽霊さ」と、大人達は言う。ずっと昔からハロウィンの日だけに現れる。いつしかハロウィンも廃れたが、それでもあの子は一人、寂れた街の片隅で、ただパレードを待っている。

#呟怖 王冠は権力、首飾りは富の象徴。夢の中で暗闇の主は、そうはっきりと告げた。それは私には過ぎた予言だった。ただ小さな幸せが欲しかっただけなのに。孤児の私が政治家の養女になったとき、運命の歯車が回り始めるのを感じた。いずれ私はこの国の首相となり、そして最悪の独裁者になるのだと。 https://t.co/31CM8X4kIh

#呟怖 鳥居の前の参道で、二人の男女が手を繋いでいた。奇妙なことに男は右腕、女は左腕がないのだった。彼らはひどく悲しそうな、それでいて満足したような表情で見つめ合い、やがて霧の中に消えた。この神社には、鬼の夫婦の右腕と左腕が奉納されていると伝え聞いたのは、その少し後のことだった。 https://t.co/VyonOoJN3p

#呟怖 山道を先に登って歩く後ろ姿は、確かに普通の登山客に見えました。しかしよく見るとその歩き方は酷く歪で、なんだか人ではないようです。ふと背後を振り返ると、いつの間にか深い霧が辺りを包んでいました。「山中異界」とはまさにこの事。山道の先で“人に似た何か”が、私をじっと待っています。 https://t.co/3eI3LD4VEw

#呟怖 五歳の息子がカーテンの隙間に隠れている。何をしているのか尋ねると隠れん坊だという。「たった一人で?」「違うよ、お姉ちゃんとだよ」私は耳を疑う。だって長女はこの子が生まれる前、私が誤って殺してしまって遺体は床下に埋めたはず。そのとき背後で「見ぃつけたぁ」と、長女の声が響いた。 https://t.co/4exfedXIp2

#呟怖 彼岸花の別名を幽霊花というの。幼い私の手を引いて、姉はそう教えてくれた。墓地へと続く一本道。その両側を埋める紅い彼岸花。姉は若くして死んだ。その三回忌の後だった。母の私を呼ぶ声が聞こえる。一緒に行く?と訊かれ、私は首を横に振った。彼岸へと続く一本道。それが最期の別れだった。

#呟怖 空に満月が掛かっている。十五夜の晩である。縁側でぼんやり眺めていると、狐面を被った二人の子供がお菓子を貰いに訪ねて来た。毎年の事なので用意していた菓子袋を渡してやる。二人はちょこんと頭を下げて帰って行く。どこの子かは知らない。ただ二人が帰ったあと、狐の鳴き声が聞こえて来る。

#呟怖 創作の神に見放された作家の私は、生け贄を捧げることにした。思えば代償を求めない神などいないのだ。夕暮れ、人気のない道を歩く子供たち。これは犯罪ではない。神聖なる行いなのだと自分に言い聞かせながら。 https://t.co/TkVKkK8Qsf

#呟怖 娘に友達が出来た。近所に住む子で“さっちゃん”というらしい。その名に聞き覚えがあった。子供の頃、姉が行方不明になる前に頻繁に口にしていたのが“さっちゃん”だった。今度は娘を連れて行く気か。私は娘を家に監禁したが、虐待を疑われ逮捕された。娘が行方不明になったのは、その翌日の事だ。 https://t.co/vs4S2zfm66

#呟怖 我が家の庭に入った野良犬を棍棒で撲殺した。警察が来たが別に咎めはない。噛み付かれそうになり仕方なく反撃した。つまりは正当防衛だ。もちろん嘘だが、県警上層部に親類がいるのが幸いした。あのクソ野良犬め。庭をほじくり返しやがって。危うく埋めた死体がバレるところだったじゃあないか。

#呟怖 夕焼けこやけで日が暮れて……。黄昏時、道端で見知らぬ少女が歌う。少女は喪服である。葬式の帰りだろうか。少女が私を見て微笑む。お迎えに上がりましたよ、と。途端に記憶が甦る。葬儀の遺影は確かに自分だった。すると喪服の少女は十数羽の鴉に変化し、真っ黒な翼の闇が私の目を覆い隠した。 https://t.co/GsSpzbgBNx

#呟怖 その刀は無銘であった。武術家だった祖父の形見である。厳重な封を解いて抜刀する。一目見て夥しい生き血を吸った刀だと分かった。微かな血の匂いは錯覚か。鏡を向いて構える。危ういと思った。己の顔はすでに人斬りのそれだ。以来、蔵の奥に封じたが、人を斬りたい欲求は日々募るばかりである。 https://t.co/GAMgkBvRtx

#呟怖 酒に酔った旦那様が刀を抜いて、庭の石灯籠に斬り掛かりました。しかし刀は弾かれ、折れた切っ先が旦那様の喉を貫いたのです。断末魔の苦しみはそれはもう凄まじく……。実は以前、その石灯籠の前で旦那様が戯れに野良猫を斬り殺しまして、これはその祟りに違いないと、世間で噂されたものです。 https://t.co/PcQ9cU0T7y

#呟怖 彼岸花の別名を「幽霊花」という。私が死んだら庭に彼岸花を植えてね。それを目印に帰るから。そう貴女は言った。庭を彼岸花で埋め尽くした三回忌の秋、貴女は以前と変わらず縁側に座っていた。やはり独りは寂しいわと微笑む。それなら一緒に逝こうと差し出した手を、貴女は躊躇いつつも握った。 https://t.co/xF5WfhOWDJ

#呟怖 風鈴が鳴る。風もない蒸し暑い日。縁側を見やれば浴衣姿の半透明の女が、風鈴を指で弾いて弄んでいる。毎年、夏になると現れる、名も知らぬ女の霊だ。微笑む横顔が、昔に愛した女に似ている気もする。やがて正午の時報と共にそっと消える。灼けた畳の上を夏陰が覆う、とても静かな七月の終わり。 https://t.co/VpgPEyeNE2

#呟怖 深夜になると、娘から電話が掛かって来るんです。「パパ、迎えに来て」って。でもそんなはずないんだ。だって私が殺して埋めたんだから。現場近くの道路脇に電話ボックスがあって、きっとそこから掛けてるんです。ええ、捕まって良かったですよ、刑事さん。これでもう娘の霊に怯えずに済む……。 https://t.co/QU9Y8iRetJ

#呟怖 子供の頃の話だ。深夜、自宅裏の竹藪に小さな光があって、こっそり見に行くと、父と祖父が毛布にくるんだ何かを埋めていた。それから父と祖父は相次いで亡くなったが、何か埋めた辺りの土がだんだん大きく盛り上がって、今は人型に近付いている。あれが完全な形になったら、何が現れるのだろう。 https://t.co/xje1Q2UtiK

#呟怖 「髪は女の命」ってんで、それを切られるのは屈辱でしょう。恋敵の女を苦しめたい。そんな妄念から生まれたのが「妖怪かみきり」でして、江戸の頃この呪法は大変流行ったそうな。ただ何事も廃れるもので、御一新のあと「かみきり」は西洋風の散髪術を覚え、市井の片隅で細々と暮らしたそうです。 https://t.co/QYev4W97tS

#呟怖 ロッカーを内側から叩く音がして、通報を受けた駅員が慌てて開けると、そこにあったのは一体の人形。持ち主は分からない。監視カメラを確認しても、それらしい人物は見つからなかった。それなら人形は何処から来たのか。ふと気付くと人形は消えている。この駅では時々そんな不思議な事が起こる。 https://t.co/xVE1l1KvRM

#呟怖 おいてけ堀って有名な怪談があるけど「おいてけ……」っていう声に従わず、強引に魚を持ち帰った人間がどうなるか知ってる者は少ない。身体を細かく切り刻まれ撒き餌にされて、おいてけ堀の魚どもに喰われるのさ。だからおいてけ堀の魚は丸々肥って活きが良い。人間の血肉を餌にしてるからね。 https://t.co/pxJB3LCYKi

#呟怖 夕焼けは血の色だった。戦で村を焼かれ命からがら逃げて来た。行く当てはない。道端に佇む道祖神の向こう、この先の森は禁足地だ。人ならざるモノの棲む異界で、踏み入った者は二度と帰れないとも。何処へ逃げても同じこと。逃れる先が例え地獄だとしても、どうせこの世もまた地獄なのだから。 https://t.co/NzK57emelz

#呟怖 「俺の家にある日本人形さぁ……」友人が語る。
「夜中になると歩き出すんだよ。最初はメッチャ怖かったんだけど、どうやら迷子になるらしくて、朝になると廊下の隅で困った顔で立ち尽くしてるんだよね」
そのため日本人形を元の場所に戻すのが、友人の朝の日課だそうだ。

#呟怖 森で緑の妖精を見かけても、絶対に付いて行っちゃいけないよ。奴らは愛らしい姿で油断させ、自分たちの巣に誘い込んで子供を食べるんだ。その昔、あたしの友達も食べられちまった。探しに行った大人達が見つけたのは、それは無残な姿でねぇ。奴らは今も、罠に掛かる子供を暗い森で待ってるのさ。 https://t.co/Ej0TSURBDV

#呟怖 猫の群れ。集会でもあるのだろうか。見ていると一匹が此方を向いて「お前も早く来い」と言った。気付くと僕の身体は猫に変化している。そこで目覚めた。夢だとホッとした。しかしその日から周囲に「急に猫っぽくなった」と言われ出した。夜、猫の鳴き声が辺りに響く。きっと僕を呼んでいるのだ。 https://t.co/MpXwhVU5Cu

#呟怖 引っ越した部屋で小物入れを見つけた。前の住民の物だろう。中に入っていたのは小さな骨である。大きさから見てたぶん子供。真夜中、小物入れの中で骨はカタカタと鳴る。置き去りにされたことを嘆くように。私はそれをお寺に預け供養して貰ったが、今もときおり部屋の片隅でカタカタと音が鳴る。 https://t.co/WlMLCyM97V

#呟怖 海岸で骨を拾った。何の骨か分からない。たぶん動物のものだ。持ち帰って汚れを洗い落とす。リビングに飾る。その夜、家の周りで動物の気配がした。荒い息遣いと跫音。獣の匂い。それは時間と共に増えてゆく。私は彼らの仲間の骨を拾ったのかも知れない。庭に骨を置くと、翌朝には消えていた。 https://t.co/oiBGvGuxTq

#呟怖 新しい墓の下で呻き声がした。死体の胸に重石が載せられているのだ。死者を悼みながらその復活を怖れる。人間とは奇妙な生き物だった。通りすがりの悪魔だが助けてやろうかと問う。ぜひ頼むと答えがあった。道連れにしたい奴がいるという。望み通りにしてやると、死者は喜んで町へと向かった。

#呟怖 星が流れた。誰か死んだのだろう。人が死ぬたび星が流れる。夜空は死の徴でいっぱいだ。傍らでは墓掘り人が口笛を吹いている。死神のように陽気な男で、やがて墓穴が完成した。とても深い穴だった。明日の朝、僕が埋葬される墓だ。さっき夜空を流れたのは、あるいは僕の星だったのかも知れない。

#呟怖 不治の病が見付かったその日、久し振りにマッチと煙草を買った。どうせ半年と保たぬ身だ。今さら健康を気遣っても仕方あるまい。吐き出した煙の向こうに誰かが立っている。数年前、俺が自殺に追い込んだ男だった。その目が俺を憐れんでいる。煙草の味は酷く苦い。懺悔の言葉すら浮かばなかった。 https://t.co/aH8ZkHdBlo

#呟怖 クローゼットに死体があった。女だ。記憶にないが、たぶん私が殺したのだろう。自首すべきか思案していると、女が自分を冷蔵庫に入れるよう命じた。暗くて狭い場所が好きなのだ。猫に似ていると思った。彼女はずっと死体のままだが、ときどき話し相手になってくれた。私はもう孤独ではなかった。

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