呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる136文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 月明かりの晩にだけ現れる幽霊がいる。庭の片隅、冬枯れの木の下。蒼白い静寂にひっそりと、落ち葉を踏みしめる足音もなく、虚空に手を伸ばして。かつてこの屋敷に住んだ、バレリーナを夢見て死んだ少女の霊だという。観客は二階の窓辺に立つ私のみ。真冬の月下に踊る、たった一つの夢の名残り。

#呟怖 ある作家の話。彼女は身近な人物をモデルに小説を書くが、するとモデルにした人物は必ず小説と同じ悲惨な運命を辿るという。怖くないんですかと訊くと、彼女は「あら、どうして?」と微笑む。「他人の運命を操れるなんて素敵じゃない」彼女は今、自分の夫をモデルにした小説を書いている。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1213938977587130368 

#呟怖 帰り道を失ってどれぐらい経つのか。300メートル先を左です。繰り返す無機質な音声。ハンドルを反対方向へ向けるが、気付けばまた同じ景色。違う、俺は家に帰りたいんだ。鉄の棺桶の中で叫ぶ声が虚しく響く。カーナビが指し示すのは天国への門。知っている。俺が死者だという事などとうの昔に。 https://twitter.com/moon04cat/status/1213807579781976064 

#呟怖 Aさんの話。従姉が交通事故で死んだ。まだ二十歳で姉妹のように仲が良かった。四十九日が過ぎた頃、従姉の母親である伯母に呼ばれた。遺品整理の最中に日記を見付けたという。その日記の最後のページには享年二十歳と記されていた。自分が死ぬ歳を知っていたのかしらねと、伯母と一緒に泣いた。

#呟怖 青い空に凧が浮かんでいる。凧は鬼面を模したものだ。今どき珍しいと眺めていると奇妙な事に気付いた。凧を上げている者の姿が見えない。と、いきなり突風が吹いて鬼面の凧がこちらに迫って来た。そして頭上すれすれの所で身を翻し、遠い空の彼方へと去って行く。正月のある晴れた日の事だった。

#呟怖 苦しみも悲しみもいつかは終わる。終わらせる事が出来る。私は床に倒れて動かなくなった男を見た。ある悲劇の元凶だった男。銃の引き金は軽く、断末魔は呆気なかった。煙草の煙を吐き出して、壁の時計に目を向ける。除夜の鐘が鳴る前に、死体を始末するとしよう。新たな夜明けを迎えるために。

#呟怖 その日、街を津波が呑み込んだ。津波は海から来たのではない。打ち捨てられた機械の残骸たちが寄り集まり増殖して、巨大な津波の怪物となったのだった。軍隊が出動したが無駄であった。機械の津波は街を押し潰し、再び残骸に返った。その中心にいたのは一個のAIだと言われるが真相は不明である。 https://twitter.com/Thgiliwt_nwoT/status/1209678762322747392 

#呟怖 今年もサンタクロースがやって来る。温かな家庭の子供達にプレゼントを配る代わりに、路上に佇む身寄りのない子供たちを袋に詰めて去って行く。この世界はいつも誰かの犠牲によって贖われているんだよ。それをくれぐれも忘れないようにね。彼は優しく微笑むと、僕に小さなプレゼントを手渡した。

#呟怖 隙間なく埋められた機械の谷間。ビル群と深遠のような空。寂れた喫茶店の壁に掛けられたその絵は、遥か昔に黒猫に似た男が描いたという。たまに絵の中に迷い込む客がいるのだとマスターは嗤う。きっと男は魔術師だったに違いない。僕は絵を見つめる。次に迷い込むのは自分だという予感と共に。 https://twitter.com/Thgiliwt_nwoT/status/1208677074119970817 

#呟怖 月が凍る夜は生死の境が曖昧になる。散歩の途中で死者に出会った。隣に住んでいた男だ。彼は言った。これから妻に会いに行きます。なぜ僕を撃ったのか訊きたくて。だが妻は夫を射殺した後、その銃で自らの頭を撃ち抜いたのだった。哀しき二人は死後も擦れ違うのか。私はただ黙って男を見送った。 https://twitter.com/knk_shirogane/status/1205075480338026496 

#呟怖 夜中に目を覚ますと五歳の娘が枕元にいた。私の顔を覗き込み「どうして私を産んだの?生まれたくなかったのに」と大人びた声で呟く。驚いていると娘はそのまま部屋へ帰って行った。翌朝には普段の娘に戻っていたが、その日以来、私には娘がふと得体の知れないものに見えて怖くなるときがある。

#呟怖 友達とさよならした日暮れ道。佇む人影はお母さん。迎えに来たよと微笑んで、握った手がひどく冷たい。いつもの家路を辿らずに、何処へ行くのと見上げれば、とても遠い所よと寂しげに呟く。お父さんは先に向こうで待ってるからね。袖口の赤い染み。ふと振り返る黄昏の街。たぶん二度と帰れない。

#呟怖 人形が嫌いだ。人を模した魂のない器。そのくせ妙に生々しい表情をする。俺が死なせた幼い双子。パチンコ中に炎天下の車に閉じ込めて。妻は去り、誕生祝いに貰った人形だけが残った。そんな目で俺を見るな。堪らず庭で火にくべると、火達磨になった二体の人形が俺に飛び掛かってしがみ付いた。 https://twitter.com/nomunomutayuma/status/1202904387749679106 

#呟怖 町外れの書店に幽霊が出るという。哲学書のコーナーの椅子に腰掛けて、ぼんやりと棚に並ぶ背表紙を眺め、ときどき本を片手に居眠りをしている。孤独な変わり者の爺さんで、ある日その椅子で眠るように死んでいた。店にすれば迷惑な話だが、少しだけ羨ましいような気がするのは何故だろう。

#呟怖 深夜に初雪が降った。これからこの地方は深い雪に閉ざされる。動くものの影さえない死の世界。私は傍らの妻に微笑む。僕たち二人で何処までも行こうか。そして柔らかな雪に埋もれて春を待つのだ。妻は何も答えない。しんしんと降り積もる静寂の中で、光を喪った虚ろな瞳がただ私を映していた。 https://twitter.com/r_Okishima/status/1202601670959460358 

#呟怖 海から吹く風に混じってお経が聴こえる。地元の若い漁師が教えてくれた。海は多くの恵みを齎すが、同時に多くを奪う。あの大津波で沢山の人が死んだ。俺の女房と子供も海に取られちまった、と彼は呟く。このお経はきっと空から降って来るのだろう。いつしか付いた名称が「念仏風」というそうだ。 https://twitter.com/usagamisousuke/status/1202081855295696896 

#呟怖 山の上を無数の烏が舞う。あの山は神域だ、決して入るなと老人は言った。入ったらどうなるのか旅の若者が問うと老人は笑った。烏どもに喰われるのさ、こんな風にな。捲り上げた服の下、腹は裂け内臓が無残に喰い荒らされている。後の記憶はない。若者が気付くと枯れ木に止まった烏が一声啼いた。 https://twitter.com/tealiketea/status/1199359245767999488 

#呟怖 列車は収容所の前で囚人達を吐き出し、白い靄の中を帰路へ着いた。若い憲兵は赴任したばかり。彼らはどうなるのですかと上司に問うと、それは知らなくて良いと彼は答えた。振り返る収容所から黒い煙が立ち昇る。あれが囚人達の命だけでなく、自分達の良心すら焼く業火だと知ったのは戦後の事だ。 https://twitter.com/Take_irakusa/status/1198947550868336642 

#呟怖 電話が鳴ったので取ると無言であった。しかし何かが聴こえる。ふと雨音だと気付いた。受話器の向こうで雨は静かに降っている。ずいぶん昔に死んだ恋人の名を呼んだ。彼女は雨の日に死んだのだった。こんな寒い十一月の夜に。やがて電話は無言のまま切れた。雨音だけがいつまでも耳の奥に残った。

#呟怖 この踏切ではよく人が死ぬ。自ら飛び込んだ奴もいれば、気付かず罠に掛かった奴もいる。こっちにおいで、楽になれるよ、と耳元で囁く声に足が震えた。死の決意などいざとなったら脆いものだ。踵を返した背中にネットリした視線が絡み付く。振り向くと踏切の上に口惜しそうな顔、顔、顔、顔‥‥。 https://twitter.com/nomunomutayuma/status/1193384862759051264 

#呟怖 どさり、と音がする。雪が枝から落ちた音だろうか。どさり、どさり、どさり。音はだんだん近くなる。ふと怖くなって私は炬燵の中に隠れた。隣では祖父ちゃんが笑っている。こんな雪の夜は、冬の番人がああして歩くのさ。家にいりゃ怖い事はねぇ。だが外には出るなよ。連れ去られてしまうからな。 https://twitter.com/r_Okishima/status/1192740756349284352 

#呟怖 畦道を歩いていると何処からか声が聞こえた。誰も彼もいなくなる。淋しい淋しいと唄うように。辺りを見回すと荒れ果てた田圃の真ん中に古い案山子がぽつんと一人。田舎は寂れる一方で、この村もいずれ地図から消える。道祖神の脇に挿した赤い風車が、冷たい秋風に吹かれてカラカラと鳴った。 https://twitter.com/moon04cat/status/1189536311658471429 

#呟怖 僕は暗闇が怖ろしい。暗闇の中に立つと、いつも傍らに誰かの気配を感じるから。気のせいだって思うかい? でも先日、電気を付けようと真っ暗な部屋で手探りしたら、誰かの手に触れたんだ。あれは決して気のせいなんかじゃない。それ以来、僕は夜中でも絶対に電気を消せないでいる。

#呟怖 夢売りから夢を買ってはならない。皆、現実の辛さを忘れたくて夢を買うんだ。金持ちになった夢、美女に囲まれる夢、スターになった夢。だが夢は麻薬だ。夢の快楽に溺れ、少しずつ魂を喰われる。あの路地裏を見ろよ。夢に依存して廃人になった奴らが、今夜もまるで夢遊病のように彷徨っているぜ。 https://twitter.com/molmol299/status/1187181592269086720 

#呟怖 朝起きると右手の人差し指が痛い。見れば小さな切り傷が。いったい何で傷付けたのだろう。まるで覚えていない。翌朝起きると今度は左肩に切り傷がある。触れた掌が血に濡れた。その翌日は右膝、次は胸、その次は首、傷はどんどん大きく深くなる。朝が来るたび私は血塗れになって目を覚ます。

#呟怖 近所に住む一人暮らしのお爺さんが亡くなって、空き家になった家が取り壊され、庭の金木犀も一緒に切り倒された。それから毎年、何もない空き地に何故か金木犀が仄かに香る。お爺さんが大切に育てた金木犀。きっと魂だけになって今も、花を咲かせているのかも知れないね、と近所の人と話した。 https://twitter.com/molmol299/status/1184120386415288322 

#呟怖 鋭い啼き声に空を仰ぐと鳶である。奴は死肉を喰らう。俺が死ぬのを待っているのか。山奥の迷い道。もはや歩く力も尽きた。死ほど綺麗事から遠いものはない。腐乱し蛆が涌き朽ち果てる。死肉の一片ぐらいくれてやるさ。観念すると鳶が舞い降り俺の顔を覗き込む。黒い目玉に土気色の死相が映った。 https://twitter.com/moon04cat/status/1182162848404799489 

#呟怖 花屋の姉は身体の奥から一輪のダリアを咲かせ、それを店頭にそっと並べた。花びらは赤い血肉のよう。その美しさに惹かれた男が買って行く。あの人はどうなるの。尋ねても姉は黙って微笑むけれど、僕は知っている。花言葉は「移り気」。人を養分に育ち、人に種を移し、やがて街を赤く埋め尽くす。 https://twitter.com/sa_tsumi/status/1183926463818395649 

#呟怖 ある夜、人形職人の家を髪の長い女が訪ねた。私は貴方に作って頂いた人形にございます。無事お役目を終え、お別れのご挨拶に参りました。昔、娘を亡くしたある夫婦のために作った等身大の人形であった。目覚めると女の姿はなく、夢であったかとふと見ると、枕元に置かれていたのは一房の長い髪。 https://twitter.com/biii_ziii_biii/status/1179724245141573632 

#呟怖 私は赤ん坊の頃、夜泣きが特に酷かったそうだ。困った両親がいわゆる「虫封じ」で有名なお寺に私を連れて行き、ご祈祷を受けたところ、その夜からピタリと夜泣きが治まったという。あれは本当に不思議だったと母が話していたのをふと思い出した。

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