呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 雨の夜は死者が訪ねて来る。雨音に混じって戸を叩く音がする。放っておくと朝までには消えてしまう。来訪者に心当たりはない。きっと道連れが欲しい誰かだろう。付き合ってやりたい気もするが、まだ少しだけこの世に未練がある。今宵もまた雨が降る。戸を叩く音が、雨音に混じって呼んでいる。

#呟怖 子供の頃、アイス売りのおじさんがいた。クーラーボックスを積んだ自転車で、夕暮れの町を影のように歩く。不思議とアイスを買う人を見たことがない。あるとき友達がいなくなった。同じ頃、アイス売りのおじさんも見なくなった。あれから随分経ったが、その話をしても誰もその事を憶えていない。

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普段 #呟怖 というタグで136字の怪談を呟いてます。それとカクヨムでも↓のような創作&実話怪談、幻想小説など書いてるので、良かったら読んでみてください。よろしくお願いします!
https://t.co/5SR7hjaUZB

#呟怖 昔、この桜の森には鬼が棲んでおりました。その正体は、この森で神隠しに遭った子供の母だと伝えられます。子を諦め切れぬ妄執が、母を鬼に変えたのです。ああ、風が出て参りましたね。こんな春の夕暮れには、我が子を探し求める鬼の慟哭が、渺々と桜を散らす風に混じって聞こえる気が致します。

#呟怖 愛していると言った。心にもない言葉だった。ずっと大切にすると誓いながら、これから君を殺すのだ。君はこんな僕をまるで疑わない。無防備な背中を向けて、ソファで静かに微睡んでいる。僕はその白い首筋に手を掛ける。今日はエイプリルフールだ。嘘の愛を囁きながら、君にお別れのキスをする。

#呟怖 美しい桜でしょう。そしてどこか禍々しい。樹齢数百年の老木ですが乙女のような若々しさだ。毎年春になるとこの枝で首を吊る者がいましてね。その命を吸っているのでしょう。何度か切り倒す話もありましたが、そのたび関係者に死人が出るので、土地の者は皆怖れて「人喰い桜」と呼んでおります。

#呟怖

さくら さくら

野山も里も

見渡すかぎり

死屍累々♪

#呟怖 月のない夜だった。小舟に乗り川を渡ろうとした。向こう岸の暗闇に提灯の明かりが揺れる。懐かしい妻の顔であった。とうに離れて三年が経つ。妻は怖い顔で「来てはなりません」と強く首を振る。何故だと問う間もなく意識が遠退き、私は病室のベッドで目を醒ました。死に損ねたのだな、と思った。

#呟怖 『死を朝にまぜて』知らない作家の詩集だった。気紛れに購入し、毎朝数ページずつ読んだ。玄関を出ると犬の轢死体があった。翌日は飛び降り自殺の現場に遭遇した。この詩集を読むと、必ず“死”に遭遇する。不思議と心が躍った。何故かこうして死に照らされるたび、僕の生は輝くように思えるのだ。 https://t.co/75VWo5l8nR

#呟怖 雪が溶け花が咲く頃、その神様は訪れる。村に豊作をもたらす来訪神だ。その神様のお陰でこの村は飢餓にも災害にも遭わない。その代わりに子供が一人、毎年連れて行かれる。「あの子たちは桃源郷で幸せに暮らしているよ」誰も見たことのないそんな伝承を信じて、今年も村人たちは子供を差し出す。

#呟怖 冬の夜、会社帰りのAさんは背後からの視線を感じた。しかし振り返っても誰もいない。ふと夜空に輝く満月を見上げた。そして先刻から自分を見つめているのは、この満月ではないのかと疑念を抱いた。そう思うと何故かひどく怖くなって、それ以来、Aさんは満月の夜には外を出歩けなくなったという。

#呟怖 きらきらと降る風花はとても綺麗だろう。だがあまり見惚れてはいけないよ。あれは“徴”だからね。ときおり感応した者が、雪深い山奥へふらふらと分け入って消息を絶つ。そうなるともう死体も見つからない。山の神が呼んでいるのさ。僕の妹がいなくなったのも、こんな風花の降る静かな午後だった。 https://t.co/5Lml1RtXAA

#呟怖 大雪の降った翌日。子供達が作った雪だるまが姿を消した。たった一晩で溶けるはずもない。不思議に思っていると、数百メートル離れた路上で、粉砕された雪だるまが見つかった。どうやら車に跳ねられたらしい。一体どうやって移動したのか。雪だるまの残骸を持ち帰り、庭にお墓を作ってやった。

#呟怖

一人暮らしの部屋。そろそろ寝ようと照明を消すと、どこからか「おやすみ」と囁く声がする。

#呟怖 夜の繁華街。ホスト風の男が足早に歩いて来る。何かから逃げるように、怯えた顔で背後を気にしながら。私の傍らを通り過ぎ、それから少しして香水が強く薫った。思わず振り返ると、男の背中を追い掛ける髪の長い女の姿が見えた気がした。男は雑踏へと消えた。きっと逃げられないだろうと思った。

#呟怖 正月の川沿いの道。ふと足を止めた。今どき凧揚げとは珍しい。夕暮れの人影はまだ子供だ。昔、凧揚げの得意な友達がいた。十歳で病気で死んだ。人影は彼に似ている気がする。凧はどこまでも舞い上がり、やがて人影と共に夕日に溶けて消えた。あれは郷愁が見せた幻だったのか。答えはない。 https://t.co/dfZ6rXVqmM

#呟怖 Aさんの実家に訪れる歳神様は少し変わっている。一番奥の部屋に祭壇を設け、大量の肉を供え、三賀日は戸を閉め切って立ち入り禁止にするのだ。肉をバリバリと咀嚼する音が聞こえ、三日が過ぎると大量の肉は跡形もない。昔は人を供えたという話もある。神様の正体をAさんは今も知らされていない。

#呟怖 泣ぐ子はいねぇがぁ、悪い子はいねぇがぁ、と叫ぶ声がする。吹雪のなか、背後の闇から迫る跫音。追い付かれたらきっと連れて行かれるだろう。僅かな金銭のために人を殺し、山中に逃げて来た。子供の頃「悪いことはしません」と、鬼に誓ったはずなのに。悪い子になった私を、あの鬼が連れに来る。 https://t.co/zRIMAceNt1

#呟怖 気付けば満月の夜だった。奇妙な呪符で顔を隠した童が、迎えに参りましたと一礼する。何処へ往くのだろう。その前に家族に挨拶せねば。すると童は、お別れの挨拶なら既に終えておりますと宣う。何故かもう戻れない気がした。童に促されて歩き出すと、満月は巨大な虚となって私たちを呑み込んだ。 https://t.co/Havom13OcC

#呟怖 理容師だった祖父の話だ。三十年ほど前、クリスマスの夜に客が訪れた。椅子に座り「これから恋人にプロポーズするんだ。だから格好良く頼むよ」そう言って、そのまま消える。その前年の同日、店を出たあと事故死した客だった。それから暫く、彼は毎年クリスマスの夜になると訪れていたという。 https://t.co/70Tbo3dDEj

#呟怖

隠れん坊。Mちゃんが鬼になった。
もおぅ良いかい。まあぁだだよ。 散り散りに隠れる友達らに混じって、Mちゃんの影法師が抜け出しどこかに隠れてしまった。 
それ以来、Mちゃんは自分の影を失ったままだ。 https://t.co/xpPcLa8hzq

#呟怖 廃墟の遊園地に忍び込み、着ぐるみの頭を被って遊んでいた兄弟。いつの間にかそれが脱げなくなった。廃墟の幽霊たちが二人を追い立て指差して嗤う。いずれ俺たちの仲間になると。出口を探したが一向に見当たらない。廃墟の遊園地に蒼い月が昇る。暗闇に息を潜め、ただ夜が明けるのを待っている。 https://t.co/33Bnc1obsg

#呟怖 満月の夜、友人のKが死んだ。死因は判然としない。自殺だと噂された。不器用な彼はよく「自分は誤って地上に生まれ落ちたのだ」と自嘲していた。単なる戯れ言と思ったが、案外本気だったのかも知れぬ。煩わしい地上を棄て、彼はようやく月に還れたのだ。夜空を見上げ、私はそう思うことにした。 https://t.co/UoD14gvaCj

#呟怖 とある女性怪談師の朗読チャンネルのリスナーが、次々怪死する事件が起きた。後で分かったことだが、彼女の語る怪談には“呪”が仕込まれていたのだ。人の世の業や悲劇を語り聞かせる怪談は、まさに“呪”を仕込むに最適だった。事件後、彼女は行方不明となり、その正体と目的を知る者は誰もいない。 https://t.co/wUerB2gsAf

#呟怖 神様は賭け事がお好きだった。気まぐれに人間を選んでは、自身の考案したボードゲームの相手をさせる。賭けられたのは世界の命運である。手駒を一つ奪われるたび、世界のどこかで災害や紛争が起こり人が死ぬ。私の手駒はあと二つ。それが奪われたとき何が起きるか、私はもう考えたくもなかった。 https://t.co/a0PYc21sJi

#呟怖 会社の喫煙所でよく会う男がいる。隅で黙って煙草を吸っている。元同僚で半年前に死んだ。出世にも家族にも無縁な男で、誰にも看取られない孤独な死だった。俺の居場所はここだけだ、と皮肉っぽく笑っていた。まだ成仏していないところを見ると、たぶんあの世にも居場所がないのかも知れない。

#呟怖 美しい男だった。地下通路の占い師。一目惚れして通い続けた。そして思いを告げたが、決して振り向いてはくれなかった。それなら命ごと奪ってしまおう。そう決意したのはいつだったか。「お前の唇に口づけしたよ、ヨカナーン」愛した男の生首を抱き寄せ、ふと零れたのは『サロメ』の台詞だった。 https://t.co/C4SwZ8c2U3

#呟怖 「怪奇月蝕」と呼ばれる現象がある。人の足元から黒い影がジワジワと現れ、やがて全身を浸食して消失させてしまう。最も古い記録は平安時代で、最近でも極まれに発生が確認される。原因は不明だ。皆既月食の夜にのみ起きることから、何らかの関連性が考えられるが、現在も解明には至っていない。

#呟怖 昨日、兄が死んだ。その前は弟、その前は父。昔から私の周りでは人が大勢死ぬ。皆は私を悪魔の子だと言った。そして今日、母が死んだ。自殺だった。一人になった私は町を追われ、廃屋になった教会に住み着いた。その三日後、大規模な火災が町を灰にした。紅蓮の炎が夜空を照らして綺麗だった。 https://t.co/u8sv8pHtYw

#呟怖 これは資産家の砂村家に伝わる怨霊の絵である。大正期、当主が南瓜嫌いで酷く迫害したため、怨んだ南瓜が化けて出るようになった。その後、当主は全身に南瓜の蔦を巻き付けられた姿で怪死した。以来、砂村家では毎年、南瓜の供養が行われており、南瓜を食することは絶対に禁じられているという。 https://t.co/Kd6wA35cng

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